京都の人々には昔から琵琶湖の水を京都に引くという夢がありました。幕末の戦災と東京遷都によって衰退していく京都の復興を目指し、第四代京都府知事北垣国道と土木技術者の田邉朔郎により、明治23年に大津と京都を結ぶ琵琶湖疎水完成させました。
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疏水建設の目的は、製造機械、運輸、田畑の灌漑、精米水車、防火、上水、下水、そして水力発電が挙げられます。明治から大正期のピーク時には年間30万人の旅客と、年間22万トンもの資材運搬に利用されました。やがて自動車や鉄道等の急速な発達によって、舟運は昭和26年9月に姿を消しました。
写真は蹴上船泊と南禅寺船泊の高低差36mを、船をレール上の台車に乗せて動力で運んでいたインクラインです。琵琶湖疎水船はこの最高地点から出航します。

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その疎水を観光事業として、平成27年に大津から蹴上までの約7.8kmの区間で舟運が復活しました。平成30年からは、流れに逆らって進む上り便も加わり本格的な運航が始まりました。今回はこの上り便に乗船しました♪
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琵琶湖疎水船は、定員12名と船頭・ガイドの計14人乗りの小さな船です。乗客は窓に向かって座り、流れる外の景色を楽しみます♪
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蹴上の乗船場には、防火用水として御所に水を送る”御所水道”と”旧ポンプ室”があります。なんとこのポンプ室は一度も使用されなかったそうです。
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4つのトンネルのうち3つのトンネル出入り口には扁額が掲げられています。
明治を代表する政治家らが揮毫したものでなかなか興味深かったです。
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トンネルの中はこんな感じ。ぽっかりと出口が見えます。
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この橋は日本で最初のコンクリート橋だそうです。劣化に伴って補強されてますね。
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疎水に沿って桜や楓が植えられていて、春や秋はとくに美しい景色を眺めることができます。天井が透明なアクリル板なので頭上の景色もよく見えます。
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ちょうど紅葉が見頃だったので綺麗でしたよ♪
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ところで上り便は所要35分、下り便は55分となっています。流れに逆らうほうが速いって不思議ですが、トンネル内で波の上に乗ってしまうとバランスを崩して危険なため、追いかけてくる波より速く走る必要があるそうです。ゆったり乗りたければ下り便がいいかも。
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水路はカーブもあってとてもいい感じです。私はたまたま最後部の座席だったので、後ろの景色をたっぷり楽しむことができました♪
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最長の第一トンネルは全長2,436mもありますが、トンネルは直線なので遥か先に出口の明かりが見えて感動的でした!
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トンネルの壁面に琵琶湖疎水の解説映像が映されました。

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第一トンネルを抜けると下船場です。このトンネルの入口だけ扉が付いています。これは琵琶湖の水位が異常に高くなったときに閉めるためのものですが、現在は瀬田川に堰があるのでまったく使われなくなったそうです。歴史遺産として残しているとか。
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最後に大津閘門を見学します。水門を開けて船を通したり、水位を調整する役割を果たします。当初の扉は木製で、開閉は4人がかりの人力で動かしていたそうです。
美しい紅葉を眺めながらのクルーズはとても素敵なものでした。機会があれば桜の咲く頃か、新緑の季節にも乗船してみたいです♪
 
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