京都では、2月の節分期間に様々な行事が行われます。そこで、振休の2日に千本ゑんま堂、壬生寺、須賀神社を訪ねました。それぞれの節分行事が楽しかったです♪

西陣にある千本ゑんま堂は、本堂に怖い顔をした閻魔さまをお祀りしています。

閻魔さまは人間を地獄へ落そうと怖い顔をしているのではありません。人間を三悪道には行かせたくないため、怒りの表情で地獄の恐ろしさを語り、嘘つきは舌を抜くと説いてくださっているのです。
enmado20190202-01

現在の閻魔法王像は応仁の乱で焼失したため、鎌倉時代の1488年の像だそうです。閻魔法王像の右には生前の行いを伝える係り司令尊、左には裁判の結果を記録する司録尊、あの世とこの世を行き来していた小野篁像も控えていて、さながら裁判所のようですね。
写真は千本ゑんま堂と壬生寺の御朱印です。千本ゑんま堂は節分限定で鬼とお多福のスタンプが押されて可愛いです。

enmado20190202-03

千本ゑんま堂では2月2日と3日の2日間、「厄除けこんにゃく煮き」が行われます。
このこんにゃく、閻魔さまの舌の形だそうです。薄味の昆布出汁が効いた上品なお味でした。昆布茶とよくあって美味しかったです^^
enmado20190202-02


壬生塚と呼ばれる新撰組隊士の墓がある「新選組ゆかりの地」として知られている壬生寺は、律宗大本山でご本尊は地蔵菩薩です。古くから京都三大狂言のひとつ「壬生狂言」や、2月の節分会などの伝統が継がれています。(あと2つは清涼寺の嵯峨大念佛狂言と、千本ゑんま堂のゑんま狂言です)
mibudera20190202-01

mibudera20190202-02

壬生寺の節分会は、2月2日~4日の3日間に渡って行われます。土曜日で天気が良くて凄い人出でしたが、本堂にお参りした後、壬生狂言の観覧の列に並ぼうとしたら、聖護院の山伏衆がやってきました。
どうやら大護摩祈祷があるようで、護摩の周りに張られた結界の前で、本物の山伏かどうかを見極めるための問答が行われました。偶然目の前で行われたので、その迫力に圧倒されて面白かったです^^
mibudera20190202-03

狂言の観覧の列に並んだので大護摩祈祷は見れませんでしたが、すごい煙で煙たかったです...
狂言は撮影禁止なので始まる前に1コマだけ写しました。「節分」という演目で、クライマックスは鬼に豆を投げて退治するお馴染みのストーリーです。狂言は、身振り手振りの無言で「カンデンデン」と呼ばれる鐘と太鼓と笛の囃に合わせて行われ、
30の演目があるそうです。壬生狂言には台本がなく、演者(壬生寺の信者の方々)は代々口伝で継承されています。
写真は狂言が演じられる舞台です。始まると撮影禁止なので舞台だけです。
mibudera20190202-04


京都の節分行事のラストは、須賀神社の懸想文売りです。
聖護院の近くにある須賀神社は交通安全を守護する交通神社を併せ持っています。1142年の創建で、縁結びの神須佐之男神と櫛稲田比賣神を祀っています。また、八衞比古と八衞比賣神を祀った交通神社もあり、旅の安全にご利益があるそうです。
sugajinja20190202-01

ここでは2月2日と3日の2日間だけ「懸想文売り」が行われています。
「懸想文(けんそうぶみ)」とはラブレターのこと。懸想文売りは、顔を覆って肩に梅の枝を担ぎ、懸想文を手に持って売り歩きます。平安時代の貴族がお小遣い稼ぎに代筆をしていたから、顔を見られたくないからだそうです。
sugajinja20190202-02

この文を人に隠して鏡台の引出しや箪笥に入れておくと、一層顔形が美しくなり、良縁があると云われ、想いをよせた人に送ると恋が結ばれると云われているそうです。黄色い装束に白い覆面、烏帽子姿の男が境内を売り歩いています。おもしろい行事でしょう♪
sugajinja20190202-03