2016年09月
明日香村から169号線を南下すると大淀町で、さらに南へ行くと吉野です。その大淀町に「世尊寺(せそんじ)」という曹洞宗のお寺があります。
687年に聖徳太子が建立した古刹で、寺院で比蘇寺(吉野寺)と呼ばれ、法興寺(飛鳥寺)、四天王寺、法隆寺とともに四大寺院の一つでした。
その後の相次ぐ戦乱による焼失や時勢の変革によって廃れてしまい、現在の建物は後世に建てられたものだそうです。
本堂の裏には聖徳太子お手植えと言われる壇上桜や、不老長寿の桜があるので、機会があれば春にも訪ねてみたいところです♪
山門をくぐり境内に入ると、真っ赤な彼岸花がぎっしり植えられています。ここも大雨で傷みがありましたが、見事な群生でした!
こんなに素敵なお寺ですが、不便なこともあって週末でも観光客はまばらですよ^^
明日香村は奈良盆地の南端に位置し、人口6800人余りののどかな村です。
中臣鎌足と中大兄皇子が横暴を極める蘇我入鹿を誅殺した「大化の改新(645年)」や、大津京から再び飛鳥京に都を戻した天武天皇の「壬申の乱(672年)」などの舞台になりました。
また、宮殿跡・寺跡・古墳・石造物などの遺跡が次々発掘され、古代史ブームの火付け役となりました。伝説に彩られた謎の石造物が点在し、極彩色の壁画の高松塚古墳など魅力は尽きません。そして今も素晴らしい自然が残されているんですよ♪
明日香村は棚田が多く、毎年秋になると畦に彼岸花が咲き乱れます。黄金色に実った稲と、田圃を囲むように割く真っ赤な彼岸花が対照的でとても美しいです。
案山子ロードには、黄金色の稲穂と真っ赤な彼岸花と精巧な案山子が素晴らしかったです♪
こんな明日香村の散策が好きなので、毎年何度か訪ねています。ゆっくり散策すると、心の洗濯ができそうです♪
浄瑠璃寺は、天平年間に行基の建立と伝えられ、本堂には阿弥陀如来を9体奉られていることから「九体寺」とも呼ばれています。
ずらっと並んだ阿弥陀様は、圧倒的な迫力と神々しさに引き込まれます。これが極楽の世界なんだなって思いました。
阿字池を中心にして、本堂と三重塔が東西に対比する庭園がとてもきれいです。この季節は芙蓉や萩が美しかったです^^
ここでは、まず東の薬師仏に苦悩の救済を願い、その前でふり返って、池越しに彼岸の阿弥陀仏に来迎を願うのが本来の礼拝の形だそうです。池を海に見立て、西方の極楽浄土を東側から拝んだのでしょうね^^
夕食後、唐招提寺の観月讃仏会(かんげつ さんぶつえ)にお参りしました。中秋の名月の夜は南大門が開放されて無料拝観ができます。
金堂には、ご本尊は盧舎那仏のほか、千手観音と薬師如来などが祀られています。今夜は金堂が開扉され、闇夜に浮かび上がる三尊のお姿が厳かで幻想的でした。
開祖の鑑真和上を奉安する御影堂の庭園が特別に開放され、鑑真和上と共に名月をめでるのですが、今年は御影堂が工事中のため庭園には入ることはできませんでした^^;
そこで、金堂のの裏から名月を眺めました。今年は恥ずかしかったのか、厚い雲の合間にほんの少し顔を見せてくれただけでした。でも、とっても風情が感じられてよかったですよ^^