奈良の興福寺の南方、奈良町にある元興寺(がんごうじ)は、6世紀末に蘇我馬子によって建立された日本最古の寺といわれる法興寺(飛鳥寺)が、平城遷都により奈良に移り、元興寺と名を改めました。
かつては南都七大寺の一つとして威勢を振い、広大な寺域には、金堂・講堂・塔・僧房などが建ち並んでいたといいます。平安時代には勢威も衰えて、現在は極楽堂と禅室のみが残っているだけでひっそりしてます。
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特筆すべきことは、本堂と禅室の屋根の一部には飛鳥時代や奈良時代の瓦が今もなお使われていることです。写真のちょうど屋根が重なるあたりの色が異なる瓦ですが、瓦って丈夫なものなんですね!
そんな元興寺は、「古都奈良の文化財」の一部として世界文化遺産に登録されています。ここを初めて訪れた人は、みんな世界遺産と聞いて目を丸くされるそうです。歴史があり、今なお飛鳥時代の瓦が使用され、本堂(極楽坊)や禅室は国宝に指定されています。国宝の五重小塔をはじめ数々の文化財も魅力があります。
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元興寺は、四季を通して美しい花が咲き乱れます。春は椿や桜、6月には紫陽花、7月には桔梗、9月には酔芙蓉や萩や彼岸花が咲きます。
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ひっそり佇む石仏に寄り添うように咲く桔梗。こんなホッとする世界遺産に会いに来てみませんか?
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