比叡山の麓に造られた修学院離宮は、上・中・下の三つの離宮からなる、総面積54万5千平方メートルを超える雄大な離宮です。
修学院という名は、10世紀後半に修学院という寺が建立されたのが始まりです。南北朝時代以降この寺は荒廃し、1655~6年に後水尾上皇によって造られた山荘が修学院離宮です。現在は皇室用財産として宮内庁が管理しています。
修学院離宮は、上・中・下の3つの離宮からなり、借景の手法を採り入れた広大で美しい庭園です。

柿葺(こけらぶき)と花菱紋の透かし彫りが施された御幸門を入ると「下離宮」です。2基の灯篭を配した美しい庭園には清流が流れます。

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この庭園を歩いて寿月観(じゅげつかん)の前に出ます。寿月観に掛かる”寿月観”の扁額は後水尾上皇の宸筆だそうです。

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下離宮から出て松並木を進み「中離宮」へと向かいます。

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中離宮にある楽只軒(らくしけん)は、元搖内親王の朱宮御所の最初の建物で、1668年の創建です。南側は池に面して広縁と低い床が庭との一体感を深めています。
中離宮には、1682年に元搖内親王のために女院御所から移築した客殿があり、飾り棚に配された棚板が霞がたなびいているように見えることから”霞棚”と呼ばれ、桂離宮の桂棚、三宝院の醍醐棚とともに天下の三棚と称されています。

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大刈込みのある「上離宮」。松並木を登り表門から入ります。

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高い刈込みの間を縫って急な石段を登ると頂上に隣雲亭があります。ここで一気に視界が開け、眼下に浴龍池が展開し、洛北の山や今日の街並みが見渡せます。実に素晴らしい眺めです!

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浴龍池を巡って苑路を歩くと、窮邃亭(きゅうすいてい)や石橋などがあります。なごりの紅葉が冬の訪れを告げていました。

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石橋を渡ると視界が開け、明るい西浜へと続きます。西浜は舟遊びの場であり、島々を巡りながら管弦や詩歌の会などが行われました。

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参観は無料ですが、事前に宮内庁へ申し込みが必要です。
申込受付は参観希望月の3か月前の1日(11月に参観希望なら8月1日から)。ただし、11月など行楽シーズンは申込開始日に満員となるようです。申込は往復はがきまたはインターネットからできます。

☆修学院離宮へは
 市バス「修学院離宮道」から徒歩15分