「安楽寺」は、松虫姫、鈴虫姫にまつわる悲劇の舞台です。
法然上人の説法に魅了された後鳥羽上皇の女官である松虫姫と鈴虫姫が、御所を忍び出て法然上人の弟子の住蓮・安楽両上人に出家を申し出ます。二僧は上皇の許可が必要として思い止らせようとしますが、両姫の思いに心を動かされ、住蓮は松虫姫を、安楽は鈴虫姫を剃髪しました。
両姫の出家を知った後鳥羽上皇は激怒し、法然上人を讃岐へ、弟子の親鸞聖人は越後国へ流刑。住蓮・安楽は死罪となりました。
両姫は瀬戸内海に浮かぶ生口島の光明防で念仏三昧の余生を送り、松虫姫は35歳、鈴虫姫は45歳で往生を遂げたと伝えられています。
こんな悲しい歴史をもつ安楽寺は、かわいい山門や本堂が迎えてくれます。
境内は通常は非公開ですが、桜~さつきと紅葉の季節に限り、特別に拝観ができます。昨日はその最終日でした。
山門をくぐると境内にはさつきがきれいに咲いていました。そして、可愛い本堂がちょこんと建っています。この本堂で30分おきにお寺の由来などを話してくださいます。
本堂での話を聞いた後、書院でゆっくりくつろげます。書院裏の庭園もさつきがきれいでした。
優しい住職が、今年は気温が低かったため開花が遅れたけれど、美しく咲いてくれましたとおっしゃっていました。
☆安楽寺へは
市バス「真如堂前」下車、徒歩10分
通常は非公開のため、事前に公開日を調べる必要があります